著者:
西日本初ほうれい線治療専門クリニック
大阪Houreisen美容皮膚科院長
ボトックスビスタ注入認定医師
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ボトックス治療はお手軽で効果的な美容医療の一つですが、残念ながら永続的に持続するものではありません。
ボトックスは一体どれくらいの期間効果が続くのでしょうか?最適な治療間隔はあるのでしょうか?
ここではその答えについて解説を行います。
目次
ボトックスの持続期間
ボトックスの効果は、注射後数日してから見られるようになってきます。
大体1~2週間後にピークを迎え、時間が経つにつれて徐々に効果が減っていきます。
最終的な効果持続期間としては、一般的には3-6カ月です。(個人差はあります)
が、部位・目的によって効果の現れ方や持続期間は少し異なります。
シワ取りに用いる場合
眉間の縦ジワ、額の横ジワ、目元の表情ジワ、顎の梅干しジワ、鼻根・バニーラインのシワなどに対するシワ取りに用いる場合のボトックスの持続期間は個人差がありますが、3,4カ月程度です。
口角挙上、人中短縮、ガミースマイル改善といった効果も3,4ヶ月程度となります。
痩身(エラ・肩・ふくらはぎなど)に用いる場合
エラやふくらはぎの筋力を減らす目的に使う場合、3,4カ月もすればボトックスの効果は消失していきます。
ただし、見た目として元のボリュームに戻るのは6カ月程度です。
これは、ボトックスにより3,4カ月かけて筋力が減っているので、そこから再び筋肉が張ってくるまではタイムラグがあるからです。
効果が現れるのも、しわ取り目的で行うよりも遅くなります。
エラボトックスを例にとると、見た目の変化が得られるには最低でも2週間はかかり、1-2か月経過した時点でエラがすっきりしたと実感しやすくなります。
多汗症治療として使う場合
脇(腋)、頭皮、手の平・足の裏などの多汗症治療として使われる場合、3-6カ月程度持続します。
特に脇汗は持続期間が長く、6カ月以上効果を実感される方もいます。
最適な注入間隔とは
効果がなくなってきたら継続注入
ボトックスを継続して打つ最適なタイミング=効果がなくなってきたと実感してきた時期です。
「最近効果がなくなってきた」と感じたら追加注入の相談をされると良いです。
ただし、ボトックス注射後は少なくとも、3カ月は空ける必要があります。
間隔が短すぎると、ボトックスに対する抗体リスクがあるためです。
体内にボトックスに対する免疫(中和抗体)ができてしまうとボトックスに対する薬剤耐性がついてしまい、効果が減弱するどころか、効果が出なくなってしまう可能性があります。
間隔を空けすぎてもだめ?
最低3ヶ月は空ける必要のあるボトックスですが、かといって間隔を空けすぎているとボトックスの効果が切れている間にシワが進行してしまいます。
ボトックスは打ち続けることで、例えばシワ取り目的であれば、シワの予防効果が発揮され、効果が出ている期間は老化しにくくなります。
効果が完全になくなる前に継続注射することで、アンチエイジング効果が長く続き、少しづつボトックスの持続期間も延びる可能性があると言われています。
特に知られているのが、多汗症治療で、ボトックスを反復的に投入すると、改善期間が延びつつ、次第に重症度も下がり、完治する例もあるようです。
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