著者:
西日本初ほうれい線治療専門クリニック
大阪Houreisen美容皮膚科院長
ボトックスビスタ注入認定医師
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肩幅が広い、腕が太い、足が太い・・・
それを解消するべきダイエットをしているが、一向に減らないと悩まれている方もいるかと思います。
もしかしてそれは筋肉が発達しているせいかもしれません。
厚く鍛えられた筋肉は健康的にも思えますが、女性からすれば着たい服やスカートが着られなかったり、コンプレックスとなる場合もあります。
そういう場合、ボトックス治療がオススメです。
目次
ボトックスで部分痩せができる理由
ボトックス(A型ボツリヌストキシン)は、神経筋接合部という筋肉と神経が接している部位で、筋肉を動かそうとするアセチルコリンと言う神経伝達物質が作用するのを妨害することで、筋肉が収縮することを妨げる効果があります。
要するに、脳が筋肉に指令を出しても、ボトックスを注射されている筋肉は動かしにくくなります。
筋肉は使っていないと、廃用萎縮と言って、どんどん痩せていきます。
逆に言えば、痩せさせたい筋肉があれば、ボトックスを打つことでそれが可能となります。
では、どこの部位に使用することが多いのでしょうか?
顔であればエラ痩せが人気ですが、ここでは身体に注目して解説していきます。
肩痩せがしたい
近年、IT技術の発展により、長時間スマートフォンを見たり、コンピューターを使って仕事をしている人は、前にかがんだ姿勢で作業をしていることが多く、それは肩の筋肉の発達に繋がります。
特に僧帽筋という筋肉が影響を受け、肩が張ってくるだけじゃなく、肩こり・頭痛の原因にもなります。
この僧帽筋にボトックスを打つと、筋肉が萎縮し、すらっとした肩のラインができます。
また、肩こり・頭痛の改善にもなります。
日本では一般的ではないですが、海外では片頭痛(偏頭痛)の治療としても使われています。
リスク・副作用
肩の筋肉は物を持ち上げる時に使われる筋肉でもあるので、投与量を多くしすぎて強く効いてしまうと一時的に物を持ち上げにくくなります。
腕痩せがしたい
気を付けの姿勢をとったとき、肩の辺りにせり出してくる膨らみを気にされる方が多いです。
昔スポーツをされていたり、子供を抱きかかえたりすることで発達したといったケースがあります。
この場合に、腕を細くしたいとき、有効なのは三角筋と上腕三頭筋にボトックスを注入します。
尚、三角筋はコロナワクチンを接種する際に筋肉注射する部位でもあります。
リスク・副作用
三角筋に対して強く効きすぎると、一時的に腕を挙上しにくくなる可能性があります。
脚痩せがしたい
脚は筋肉力が多く、脚痩せをしたい場合、多量のボトックスが必要です。
脚痩せを希望される方で一番多いのは、ふくらはぎの筋肉です。
ふくらはぎはダイエットをしていても中々細くなりません。
これは、ふくらはぎの膨らみに占める筋肉の割合が大きいからです。
ダイエットのため運動をしていたら逆に脚の筋肉が鍛えられてしまったというケースがあります。
ふくらはぎの筋肉が発達しているからスカートが履けないといった方もいらっしゃいます。
他にも太ももの筋肉(大腿四頭筋)を減らすこともできます。
リスク・副作用
太ももの筋肉は元々筋肉量が多いのでボトックスを強く打ってもそれほど違和感はできくいです。
しかし、ふくらはぎの筋肉群にボトックスが強く効くと、一時的に歩行時違和感が出たり、場合によっては歩行困難になることもあります。
ハイヒールを履くときは注意が必要です。
脚のボトックスはボトックス投与量が多くなるので、抗体リスクに注意が必要です。
効果を維持するためには再注入が必要
ボトックスは時間と共に効果が切れてくるので、効果を継続させる場合は再注入する必要があります。
ボトックスの効果は、注射後およそ1-2週間でピークになります。
シワ取りや多汗症治療として用いる場合、この時期に一番効果を感じられますが、痩身として用いる場合、もう少し時間がかかります。
具体的には1カ月後には効果が見られだし、2-3カ月後に最大レベルになります。
その後、6カ月後には減った筋肉が再びついてきて、12カ月後には元通りになります。
そのため、再び筋肉がついてきたと思ったら再注入をする必要があります。
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