著者
西日本初ほうれい線治療専門クリニック
大阪Houreisen美容皮膚科
院長
笹川新也 ドクター紹介はこちら
ここでは、ほうれい線の左右差のよくある特徴と治療方法について解説します。
まずはご自身のほうれい線を観察してみましょう。
ほうれい線には左右差がありませんか?
具体的には、左右で長さや深さ、形に違いがあるはずです。
更に、その違いを観察しているうちにゴルゴライン(目の下から頬にかけて見られる溝)・マリオットライン(口角下の溝)と言った、他のシワも気になってくるかもしれません。
今回はなぜ、この左右差がでてくるのか、またその対策について解説していきます。
目次
左右差ができる理由について
もともと人の顔は左右対称ではない
あらゆる生き物は、産み落とされた時点で顔に左右差があります。
完全左右対称の人間はいません。
ほうれい線の左右差の原因は先天性でもあります。
顔の骨格
よく知られていることですが、顔の骨格は生まれつき左右対称ではありません。
頬骨の盛り上がり、鼻の横のくぼみ、顎のライン、歯並びや歯の本数などよくみてみると左右に違いがあることがわかると思います。
顔の土台である骨格に左右差があると、その上にのっている筋肉や脂肪組織、皮膚にも左右差ができます。
顔の形が左右対称になるということは、こういった理由で普通はありえないということがわかると思います。
左右差があるものに左右差があるものを重ねていくため、ほうれい線にも当然左右差ができるというわけです。
生活習慣による表情筋の癖
後天的に左右差は悪化していきます。
顔の筋肉の動きは、生活習慣としてご飯を食べるときや笑うときなど無意識なクセがあります。
顔の表情筋の動かし方のクセは顔の形に影響を与えます。筋肉は使うほど形が変わるため、一方の筋肉だけに負荷がかかると、片側だけの筋肉が発達し左右差ができやすくなるというわけです。
この変化は積み重なり、年齢を重ねるにつれて年々大きくなっていくことがほとんどです。
例えば、右の奥歯でものを食べる癖がある人は右側のエラ部分の筋肉が張ってきます。
そうすると筋肉の太さに左右差ができてしまい、顔にゆがみが生じます。
結果としてほうれい線の左右差が目立ってくる原因になります。
加齢・紫外線などによる皮膚のたるみ
加齢や紫外線、喫煙、食生活、ストレスなどの影響で、皮膚は老化していきます。
皮膚のコラーゲンが減ってくると、皮膚のハリがなくなり、シワ・たるみの原因となります。
また、骨や皮下脂肪は委縮していき、皮膚を支えている土台が弱くなることで、どんどんたるみが目立ってきます。
たるみによって、皮膚および皮下脂肪は垂れ下がり、元々の左右差はより強調されることになります。
ほうれい線の左右差のバリエーションについて
具体的にどんな左右差が顔にみられるのでしょうか。
左右差がある方のバリエーションをタイプ別に紹介します。
※厳密にほうれい線の形に分類があるものではなく、このようなタイプがよくみられるということについて紹介します。
あなたのほうれい線にも当てはまるパターンがあるかもしれません。
当院で行っているほうれい線のグロースファクター治療を行った際にどのような左右差の改善がみられるのかについても紹介します。
一方のしわが深い
こちらは、ある程度の年齢以上で見られます。
左右の一方のほうれい線だけがくっきりしているとお悩みの方によくみられるしわの形状です。
このようなほうれい線では、グロースファクター治療を行った際に左右差が解消、あるいは目立たなくなるといった効果が得られることがあります。
一方のしわが長い・短い
一方のしわが口の上までなのに、反対のしわは口の下まであるような、左右で長さの違いがみられるタイプです。
口角から下に伸びたシワは、マリオネットラインと呼ばれます。
しわの始まりや終わりの位置に違いがあることでお悩みの方によくみられるしわの形状です。
このような場合でも、グロースファクター治療を行うことで、左右のバランスを改善し、長さや深さの左右差の軽減をはかることができます。
形違いタイプ
一方のほうれい線は途中で枝分かれして2本あるのに反対側は1本しかないといったように、左右でほうれい線の形が異なるタイプです。
このような場合でもグロースファクター治療を行うことで、2本あるほうれい線が1本に改善がみられることがあります。
また、折れ曲がりの部分が不鮮明になることで見た目が劇的に改善するような方もいます。
ほうれい線の左右差を目立たなくする治療について
ほうれい線の代表的な治療方法を解説します。
- グロースファクター治療
- ヒアルロン酸治療
- HIFU (ハイフ、High Intensity Focused Ultrasoundの略):高密度焦点式超音波治療
- スレッドリフト
- 表情筋トレーニング
当院のお勧めのほうれい線の左右差対策は、グロースファクターもしくはヒアルロン酸注射です。
グロースファクター治療について
グロースファクター注射前と注射後3ヶ月を比較した写真です。
右のほうれい線(写真向かって左)の方がシワが深いですが、グロースファクターにて改善が見られます。
グロースファクターとは再生医療に用いられるアミノ酸/タンパク質の一種で、皮膚の奥に眠るコラーゲンを作る力(線維芽細胞)を活性化させることができます。
当院のグロースファクターは1回の治療で終わることが多く、平均して数年以上の長期持続をする方がほとんどです。
もちろん10年単位でみれば、加齢や紫外線の影響などで多少の老化の進行はありますが、皮膚のコラーゲンを大幅に増やすことで、老化速度も低下できるので、10年後でも何もしない場合と比較して治療効果があります。
完全にほうれい線の左右差をなくしてしまうことが理想ですが、完全な左右対称ということは難しいことです。
治療後のほうれい線の仕上がりとして、以下の二つに分けられます。
- ①左右差が改善する
- ②左右差が逆転する
もちろん、1番多い仕上がりのパターンは①です。
①左右差が改善する
右の方が深かったほうれい線ですが、左右差が改善しました。
左の方が深かったほうれい線ですが、左右差が改善しました。
まれにある仕上がりのパターンが③です。
目立っていたしわが良くなりすぎて反対側のしわが逆に目立ってしまうというパターンです。
②左右差が逆転したパターン
右のほうれい線(画像向かって左側)の方が術前は深かったのですが、治療後は、右のほうれい線が大幅に改善し、左と逆転しました。
注意点としては、グロースファクターは薬剤そのものがしわの奥に残るような治療ではなく、投与後は薬剤によって活性化されたコラーゲンを作る力に効果を委ねる部分があるので、必ず狙ったとおりに左右差がきれいになっていくというわけではありません。
皮膚に投与する量を左右で調整することで、ほうれい線の左右差の矯正・改善に期待します。
ヒアルロン酸注入治療について
次にほうれい線治療によく用いられる定番のヒアルロン酸注入治療についてです。
ヒアルロン酸は無色透明のゼリー状の物質で、もともと人体にも存在している物質であることから人体に対する安全性も高いといわれています。
化学的に合成したヒアルロン酸製剤を皺の真下に注射で直接投与し、しわを持ち上げて膨らませることでほうれい線を改善させることができます。
注入したヒアルロン酸の注入量・注入部位を調整し、直接的にしわの形をととのえることで、しわの形の左右差も改善することができます。
ヒアルロン酸はグロースファクターと異なり即効性があり、結果が瞬時に分かるので、左右差のコントロールが比較的容易いです。
ただし、グロースファクターよりは持続期間が短いので定期的なメンテナンスが必要です。
また、非常に稀ですが重篤な副作用・合併症が起こることがあることも知っておく必要があります。
例えば、注入時に皮膚の血管を圧迫したり、針の先端が血管の中にあると誤注入となってしまい、血管塞栓症や血管圧迫により、皮膚壊死や失明などの不可逆的な副作用を起こすことがあります。
ヒアルロン酸での美容治療は多くの医院で一般的に行われている行為ですが、このように注射部位によっては重篤な合併症を引き起こすことがあるので、知識や経験が豊富な医師に治療を行ってもらうことが望ましいです。
当院ではヒアルロン酸注入も沢山行っておりますが、これまで重篤な副作用が発生したことはございません。
HIFU(ハイフ)について
HIFU (ハイフ)とは超音波で皮膚・皮下組織・筋膜に刺激し炎症を与えることでたるみや皮膚を引き締める治療法です。
一般的には、既に出来上がってしまったしわ(刻みしわ)に効果は乏しく、注射に比べるとどうしてもしわ改善効果は落ちます。
そのため左右差の改善がみられることも少ないです。
左右差を改善するというよりは、たるみ・しわの予防目的と捉えて行うのがオススメです。
スレッドリフト(糸リフト)
コグという棘付きの糸を皮下に挿入し、頬のお肉を皮膚の内側から引き上げ、加齢に伴うたるみを改善することでほうれい線を改善させます。
糸の種類によって持続期間が異なりますが、共通することは挿入直後が一番効果があり、徐々に効果が落ちていくということです。
メスを使わなくても施術可能で、腫れ・内出血といったダウンタイムは意外と少ないです。
しかし、残念ながら解剖学的にほうれい線はスレッドリフトでのリフトアップが難しい部位です。
糸リフトのオススメ部位はフェイスラインです。。
表情筋トレーニング
ほうれい線に関連する筋肉を鍛えることで、表情筋の衰えを改善し、リフトアップを図るというものです。
自宅でもできるお手軽さが最大のメリットです。
しかし、表情筋トレーニングはシワの原因となります。
逆にほうれい線が悪化する恐れがあります。
左右差が残った場合の対処法について
前にもお伝えしたように、ほうれい線が目立っていた場所は骨格や筋肉の影響でもともとしわができやすい場所です。
そのため、ほうれい線治療後も完全に左右差を取り除くことはできません。
例えば、グロースファクターは皮膚を再生する効果がある注射ですが、骨格や筋肉などのご自身がもともと持っている要素を取り除くことはできません。
ヒアルロン酸も同様に骨格や筋肉には作用しません。
ただし、グロースファクターやヒアルロン酸など注射の利点は局所的に細かい調整ができるので、2回目以降片側だけに治療を行ったり、気になる側だけの治療を行ったり、細かな調節を行う治療も可能です。
注射でしっかりほうれい線を治療した後のスキンケアは、簡単なことだけでもいい状態が維持できます。
もちろん自然老化は起こりますが、その後のケアが楽になります。(ほうれい線のケアについて>)
ほうれい線治療後も、是非細かなメンテナンスを行って、ほうれい線が気にならない生活を送っていただければと思います。
まずは無料カウンセリングをご利用ください。ご自身のほうれい線のお写真を送っていただければ詳しいカウンセリングが可能です。
ご相談は無料です。お気軽にお問い合わせください。
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