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  • お知らせ, ヒアルロン酸

顔がパンパンに?!ヒアルロン酸のアレルギー反応「遅発性結節」とは

著者:
西日本初、関東唯一ほうれい線・シワ治療専門クリニック 
大阪Houreisen美容皮膚科/東京Houreisenスキンクリニック
医療法人新月会 医師 齋藤秀明 ドクター紹介はこちら  

ヒアルロン酸製剤による治療は他の美容施術と比較してもダウンタイムが短く、注射一本で出来るので、比較的手軽に受けることが出来る人気がある施術です。

しかし、施術をうけて数カ月ほど経ってから注入した部位が大きく腫れたりしこりになったり、中には痛みも出てきた、などのお話やお写真をご覧になられた方もいらっしゃるとおもいます。

現在ヒアルロン酸の注入をお考えの方も、もしそうなってしまったらどうしようと、ご不安をいだかれておられるかもしれません。

また、そもそもどんな場合にどうやって起きてしまうのだろう、起きてしまった場合はどうしたらよいのだろうといった疑問もお持ちだと思います。

ヒアルロン酸注入後のダウンタイムは問題なく経過したとしても、しばらく期間をあけてからおこるかもしれないこの腫れやしこりですが、遅発性結節、と呼ばれるものの可能性があります。

ですので今回は、その遅発性結節について、そもそも何なのかどうやって出来るのかどれくらいの人でおきるのか起きてしまったらどうしたらいいのか、について、わかりやすく解説いたします。

ヒアルロン酸注入による遅発性結節とは何なのか?

遅発性結節とは、ヒアルロン酸を注入してから4週間以内におこる可能性がある、皮膚の赤み、むくみ、出血班、ぼこつき、感染、などと違って、数か月ほど時間が経ってからにおこる可能性がある副作用の一つです。

その症状としては、ヒアルロン酸を注入した部位が、大きく腫れたり硬いしこりになってしまったり、その腫れやしこりが痛みや熱感を伴ったりすることもあります。

これは、アレルギーや、バイオフィルムといわれる細菌や細菌が作った物質が原因でおきている可能性が高いといわれています。

では、なぜ、アレルギーやバイオフィルムが作られると遅発性結節となってしまうのでしょうか。

遅発性結節はどうやってできるのか

異物に対するアレルギー反応

遅発性結節ができる原因の一つはアレルギーによる反応だと言われています。

ヒアルロン酸自体は、私たち皆が自分の体の中で作られているものです。なので、本来は強いアレルギー反応は起こりにくいのですが、何かがきっかけとなると、注入したヒアルロン酸を異物と認識して数カ月以上たってからアレルギー反応がおきてしまう事があります。

これは、遅延型アレルギー反応(Ⅳ型アレルギー)と呼ばれていて、一般的によく知られている食物アレルギーや花粉症など(Ⅰ型アレルギー)とちがって、注入後数カ月や、遅いものでは1年以上経過してからおこることが特徴です。

では、そのアレルギーが何故おこってしまうのかですが、何らかの原因(風邪や胃腸炎、口の中の治療や外傷など)がきっかけとなってアレルギー反応がおこってしまう事があります。

また、ヒアルロン酸製剤中に不純物を多く含むようなものを注入してしまうと、その成分が体に異物と認識されてしまって炎症反応が起こってしまう事があります。

特に、硬く持続時間が長いヒアルロン酸製剤はその分体内で吸収されにくく、注入した部位にとどまります。その分、異物と認識されてしまうと、炎症によって線維化をおこし、異物の周囲に繊維の膜をつくってしまい、遅発性結節の原因となることがあります。

バイオフィルム感染の再活性化

ヒアルロン酸製剤を注入するときに、細菌を針で体内に押し込んでしまう場合があります。

通常、その細菌は体内の免疫によって排除されますが、細菌とその分泌物によって膜のような構造物(バイオフィルム)が稀に作られることがあります。

この膜(バイオフィルム)が作られてしまうと、細菌は膜によって保護されてしまい、免疫による排除や抗生剤などの薬が効きにくくなってしまいます。

そうすると、膜のなかに隠れた細菌によってじわじわと炎症が長引き、何らかの原因(風邪や胃腸炎、口の中の治療や外傷など)がきっかけとなって

膜の中の細菌が活性化してしまい、注入から数か月以上たってから遅発性結節ができることがあります。

遅発性結節の起きる確率は?

ある研究では、遅発性結節の発生頻度はヒアルロン酸注入した人の内、約0.6%程と言われています。

ただし、高品質なヒアルロン酸製剤では非常に低く、初期の不純物を多く含んだ製品で問題となった硬いしこりやふくらみは現在ではほとんど見られなくなっています。

それでも以下の要因により、発生リスクが高くなります。

異物反応やバイオフィルムが出来やすくなるリスクは?

異物反応やバイオフィルムが出来やすくなるリスクとしては次のものがあります。

  • ヒアルロン酸製剤を本来よりも浅い層へ注入する場合
  • ヒアルロン酸製剤を一か所に大量に注入する場合
  • ヒアルロン酸製剤を短期間で頻回に注入した場合
  • 施術者が無菌操作を徹底できていない場合
  • 低品質で安価なヒアルロン酸製剤を使用した場合

これらに加えて、喘息、アトピー、花粉症などをお持ちのアレルギー体質の方はそうでない方と比較して発生するリスクが高いといわれています。

これらのリスクを十分熟知した医療機関でヒアルロン酸注射の施術を受けられる必要があります。

遅発性結節の治療法

遅発性結節の治療法は、その部分の炎症兆候(赤く腫れる、触れると熱い、痛みがある、膿が出ているなど)を評価して感染をおこしているか、おこしていないかで大きくふたつに分けられます。

非感染性の場合

非感染性で炎症もごく軽度ので本人も気にならない場合、経過を見て、自然に吸収されて小さくなることを待つ選択肢もあります。

しかし、見た目の問題が大きい場合や早めの改善が求められる場合、その原因となっているヒアルロン酸を取り除くことが重要です。

つまり、ヒアルロン酸分解酵素(ヒアルロニダーゼ)をしこりやふくらみの原因である遅発性結節を溶かすように注入します。

そうすると、しこりやふくらみの原因になっていたヒアルロン酸が溶けて、小さくなり、吸収され、無くなってなっていきます。

また、非感染性の場合は基本的には抗生剤は不要ですが、完全に細菌の影響を否定できない場合もあるので、場合によっては予防的に抗生剤を併用することもあります。

症状が強い場合は、抗炎症作用の強いステロイド製剤を使用する場合もあります(副作用もあるため、診察の上で処方するかしないかを相談致します)。

感染性の場合

次に、感染性の場合ですが、細菌による炎症が原因なので治療のために抗生剤の内服を行います。

また、膿が出ている場合は排膿や洗浄を行い、場合によってはヒアルロン酸分解酵素(ヒアルロニダーゼ)でその部分のヒアルロン酸を溶かしたり、抗生剤で洗い流す処置を行うこともあります。

遅発性結節を100%防ぐ事は出来ないのか?

結論から言うと、遅発性結節の発症を100%防ぐことは困難です

ですが、その可能性を最小限に抑える方法はあります

  • 施術時は清潔操作でヒアルロン酸注入を実施すること。
  • 施術を受ける場合は、事前に施術部位をできるだけ清潔にしておくこと(注入したい部位にニキビや吹き出物がある場合は治ってからが望ましいです)。
  • 信頼できるメーカーの厚生労働省承認済みヒアルロン酸製剤を選択すること(不純物の混入や劣化によるトラブルを防ぐためです。また、ヒアルロン酸は吸収されると言っても、ある程度皮膚に残るものです。安かったとしても、粗悪な製剤は当院では使用しません。)。
  • 喘息、アトピー、花粉症などをお持ちのアレルギー体質の方は、注入量を少量から行い慎重に経過を見ること。
  • 施術後は注入部位を清潔に保つこと。

こういったことを積み重ねることで、可能性を最小限に抑えることが出来ます。

また、当院では出来る限り清潔操作を心がけ、注入量も多すぎず、なるべく安全に、かつ自然な仕上がりを目指します。

所謂「ヒアル顔」にならないようにします。

「ヒアル顔」は、見た目だけでなく、本記事で解説しているように、アレルギー反応のリスクもあることから、当院ででは、「注入してほしい」と仰られても、しっかり治療の可否を見極めて、注入することでリスクがある場合は、注入できないと、お伝え致します。

当院では、信頼できるメーカーの厚生労働省承認済みヒアルロン酸製剤の内、ハイエンドなフラッグシップ製剤のみ使用しています。

遅発性結節が起きにくい注入治療とは?

ヒアルロン酸より遅発性結節が起きにくい製剤はあります。

ここではそのうちのいくつかをご紹介致します。

グロースファクター

例えばほうれい線治療であれば、アレルギーのような副作用が起きない注入治療にグロースファクター治療があります。

グロースファクターとは、元々皮膚にあるたんぱく質ですが、加齢や生活習慣とともに、質・量ともに減ります。

ほうれい線部位にグロースファクターを注入することで、皮膚の土台となる真皮層に含まれるコラーゲン・エラスチン・天然ヒアルロン酸といった、美肌細胞の生成を促します。

ほうれい線のできる原因の一つがこのコラーゲンの低下によるものなので、グロースファクターでコラーゲンの減少を補うことで、ほうれい線を改善させる治療です。

皮膚にハリと弾力をもたらすことで、肌質改善効果も期待できます。

グロースファクターは液体成分のため、ヒアルロン酸と異なり、血管塞栓を起こして、失明や皮膚壊死を起こすことがなく、速やかに身体から代謝されるため、皮膚に残存して、遅発性結節を形成するリスクはありません。

効果持続期間がヒアルロン酸より長いことも特徴です(当院の実績で少なくとも3年以上)。

ただし、グロースファクター治療はヒアルロン酸注射より難易度が高く、リスクもあります。

実績豊富で、安全性に十分配慮している医院にて治療を受ける必要があります。

当院のほうれい線グロースファクター治療は配合・注入濃度・量・方法、全てにこだわって治療を行っております。

「どうすればもっと患者さんに喜んでもらえるか?」を日々探求している齋藤・笹川医師がカウンセリングから処置、アフターケアまで丁寧に行います。

脂肪注入

脂肪注入とは、余剰脂肪の一部を外科的に脂肪吸引し、窪み・コケの気になる場所、痩せている場所に特殊な金属製の管(カニューレ)を使って移植する方法です。

加齢とともに、脂肪も骨も痩せてお顔がゴツゴツするようになるので、ボリューム不足をご自身の脂肪で補うことができます。

自家組織(自己細胞)のため、アレルギー反応を起こさないので、遅発性結節のリスクはありません。

脂肪注入は、外科治療であり、元には戻せません。

そのため、ノウハウある医院で受けれることが重要です。

具体的には、使用する器械(脂肪注入は精製の質が重要です)・注入量・注入方法によって仕上がりに大きな差があります。

リズネ/LIZNE

リズネ注射とは、韓国発症のスキンブースター製剤リジュラン/Rejuran注射の次世代注射と呼ばれている製剤です。

主要成分は鱒由来のポリヌクレオシド(PN/PDRN)が肌細胞の再生を促し、皮膚の内側から、ハリ・ツヤをもたらし、小じわを改善させる注射です。

ヒアルロン酸注入のような、膨らませて凹みを治すボリュームアップ治療と異なり、真皮線維芽細胞自体に働きかけ、天然のコラーゲンやエラスチンを増やしてくれるため、ご自身の細胞の力で自然にお肌を再生させてくれます。

特に目元の小じわ、ちりめんじわに有効です。

リズネは、先発品のリジュランに比べて、成分純度を高め(リジュランが70%でリズネが99%)、不純物を減らしたことで注射の痛みを抑えつつも、治療効果を高めた注射です。

スネコス/Sunekos

スネコスとはイタリア製のスキンブースター製剤です。

この注射は遅発性結節を起こしにくい非架橋ヒアルロン酸とアミノ酸のハイブリッド製剤で、その配合は国際特許を取得しております。

小じわ・毛穴を軽減させ、皮膚のハリを自然に取り戻す効果があります。

特に目の下の青クマに効果的と言われています。

まとめ

遅発性結節は、ヒアルロン酸製剤の注入から数ヶ月ほど期間をおいてから発生する可能性がある合併症の一つです。


原因としては、アレルギーやじわじわ続いていた感染が活性化することでおこります。


起こった場合は、感染しているのかそうではないのか判断して、ヒアルロン酸分解酵素や抗生剤の投与、場合によっては排膿や洗浄などをおこない治療していきます。


発生のリスクを軽減するには、信頼できるクリニックで信頼できるメーカーの承認済みヒアルロン酸製剤を選択することが重要です。

必ずしもヒアルロン酸出なくても良いので、例えばほうれい線治療であれば、グロースファクター治療も選択肢に入れると良いでしょう。

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